超久しぶりのキャラ語りコーナー。今回はサムスピ紅白戦イベントを運営する縁があってのキャラとなります。お題はサムライスピリッツシリーズより「紫ナコルル」とそれに関連したちょっとした騒動の話になります。

紫ナコルルとは何ぞやって話なんですが、身も蓋もない事を言うとナコルルのカラバリの一つです。とはいえ、そこはSNK格ゲー不動のアイドルと名高いナコルルのカラバリ、ただの色違いでは終わらないのが紫ナコの凄いところ。
紫ナコは初代サムライスピリッツから出演していますが、初代と次作の真サムライスピリッツ(通称・真サム)ではナコルルの2Pカラー扱いで特にナコルルとの性能などの違いなどはなかったのですが、他のキャラには無い要素として1Pカラーと2Pカラーで勝利デモの表情が違うという点があり当時ではかなり珍しがられていました。

1Pカラーナコとは対照的な表情であった2Pカラーナコは現在のナコルルの清楚なイメージとは違い、挑発的な言動も見られた初期のキャラ付けとマッチしたのか一部のファンの間で小悪魔的なキャラとして定着し、いつの日か「紫ナコ」の愛称を付けられ愛されることになりました。

ほぼ非公式キャラながら二次創作や商業作品を中心に徐々に出番を増やしてきた紫ナコでしたが三作目の斬紅郎無双剣(通称・斬サム)で大きな転機を迎えることに。
斬サム~アスラ斬魔伝までは各キャラに「修羅」と「羅刹」という技構成が違う二種類の性能が与えられる事になり、修羅ナコルルはお馴染みのママハハを使役する性能、羅刹ナコルルはシクルゥという狼を連れた今までのナコとは相棒が違う戦闘スタイルになりました。
この羅刹ナコルルのデフォカラーには紫カラーが抜擢され3作目にして紫ナコはナコルルのアナザーキャラとして扱われ、以降の作品ではシクルゥを連れた羅刹性能が彼女の基本戦闘スタイルとして定着しました。

初の3D作品となったポリサム二部作では髪型もショートになり益々ナコルルとの違いが分かるようになり、アスラ斬魔伝がOVAされた際もオリジナルのナコルルがいるにも関わらず独立したキャラとして登場し相変わらずスタッフからの愛されっぷりが伺えます。

そしてアスラ斬魔伝が稼働してから数年が経ちSNKの倒産情報が入りサムスピの続報も絶望かと思われた2000年代初頭、思いもしない方向から紫ナコにまさかの二度目の転機が訪れました。
「インターレッツ」という会社からナコルルを主軸にしたADV「ナコルル~あのひとからのおくりもの~(通称・ナコりもの)」が発売され登場キャラの中にシクルゥを連れた謎の少女「レラ」の存在が明らかに。
その正体はナコルルの心の闇の部分が具現化した存在。ここに来て紫ナコはついにナコルルの色違いではなく一つのキャラとして新生する事になりました。

2003年には旧SNKの権利関係を取得した「プレイモア」から久しぶりの新作となるサムライスピリッツ零(通称・零サム)が発売。修羅、羅刹のスタイルは撤廃されたが新キャラの中には羅刹性能を引き継いだキャラ達も登場。その新キャラの一人にまさかのレラが羅刹ナコルルの性能を引き継ぐ形で登場し、姿を含め過去最大級にナコルルとの差別化が図られました。

レラはEDでナコルルと同化したことで消滅したためストーリー上の出番は今のところは零サムのみですが本編のストーリーとは外れたお祭り展開の零SPや天下一剣客伝(通称・剣サム)では引き続きプレイアブルキャラとして続投しています。

レラが登場して以降、紫色のナコルルは晴れてお役御免になり今後の出番は無いだろうと誰もが思ったことでしょう。しかし家庭用剣サムで追加された新キャラの中に色違い扱いではない紫ナコルルが追加される事態が起き一部のファンは混乱する事に。
紫ナコがついにキャラセレアイコン単独枠を獲得 性能の違いはほとんどないのでお好みのナコを選ぼう
お祭り作品とはいえ一作にナコルル、紫ナコルル、レラと三人のナコルルがいるわけですから混乱するのもしょうがないと言えますけどね。

さて、ここからはもう一つの本題である新作で起こった、とある騒動の話をしていきます。
時は2019年6月、サムスピファン待望の新作サムライスピリッツ(通称・令サム)が発売され、当然のことながらナコルルはプレイアブルキャラの一人として登場。ナコルルのカラー枠は基本カラーの赤の他に、水色、黄、緑の4つが用意され紫カラーの枠は無かったもののファンの間では後ほどDLCで衣装、カラー、またはレラが追加されるのだろうと予想されていたため、さほど心配はされていませんでした。

その後、2021年3月15日に3度目の大型アップデートが施されると予告され、その追加項目一覧の中に紫カラーを臭わす記述がありナコルルファンは期待に胸を躍らせました。

令サム移植機種一斉アップデートの一週間前にXBOX版だけフライングでサードシーズンがアップデートされるというトラブルがあったものの、その時にナコルルの変更された4Pカラーが紫と判明し、ファン達は自分が所持するハードのアプデが来る日を待ちました。
家庭用剣サムを除けば久方ぶりの登場となった紫ナコルルは性能こそナコルルと変わらないものの勝利演出が専用のものに変化するなど原点回帰を彷彿とさせる仕上がりになっており概ねファンからは好評でした。
だがここで問題が起こってしまった。紫カラーは元々あった4つのカラーに追加されたものではなく「4Pカラーが変更」されたもの。そう、最初からあった4つ目の緑カラーが紫カラーに置き換わってしまったのである。

このカラー置き換えは物議を醸し、ナコルルファン達(主に緑ナコ使い)から緑カラーの復活を望むアンケートがSNK宛に送られるまでの騒ぎになりました。これが緑ナコ騒動の始まりである。
この頃の令サムはアップデート直後にゲームバランス崩壊級のバグが多く見つかり混沌としていた時期でもあるため緑ナコ騒動が更に拍車をかけた形になっていたと感じました。
そんなこんなで目立ったバグも徐々に修正されつつ騒動から3ヶ月近くが経ち、サードシーズン三人目の新キャラ「天草四郎時貞」の追加と共に中規模のアップデートも予告され、項目の中に緑ナコ追加が確認された事で一先ず緑ナコ騒動は終わりを迎えました。

一キャラのカラー程度で大袈裟なと思われがちですが、それだけナコルルというキャラの人気の絶大さを表しているとも言えますね。これが王虎やアースクェイクのカラーだったら話題にすらならなかっでしょうし。

長くなりましたがこの辺で終わりにしようと思います。
赤や紫だけでなく他のカラーのナコルルもよろしく!
